イギリス北東部の工業都市イミングハムから躍り出たMing City Rockers(ミン・シティ・ロッカーズ)は、結成当初から一貫して「一切の気取りを排除した生々しいロックンロール」を打ち鳴らし続けてきた三人組バンドだ。スティーヴ・アルビニをプロデューサーに迎えた前作『Lemon』等で磨き上げた無骨な初期衝動はそのままに、キャリアを重ねるごとにソングライティングの鋭さとフックの美しさを増している。
通算4作目のフルアルバムとなる『Clementine』は、『Lemon』『LIME』と続いてきた柑橘類タイトル三部作を締めくくる超重要作だと思う。やばいくらいに濃縮されたフックと、キャッチーなメロディ、そしてどこか不穏で中毒性のあるフレーズがわずか30分前後の尺にこれでもかと詰め込まれている。従来のJohnny Thunders流のスカムなギターに加えて、BuzzcocksやPete Shelleyを彷彿とさせるひねくれたポップセンスが爆発しており、楽曲の引き締まり具合がとにかく半端じゃない。
日常の絶望や労働への不満、テクノロジーへの猜疑心を辛辣なユーモアで切り取る歌詞も冴え渡っていて、フロアでシンガロングせずにはいられない説得力に満ちている。1分台や2分台で駆け抜ける疾走曲の連続は、アンダーグラウンドのライブハウスやパンクフェスの最前列で汗だくになって狂喜乱舞する光景が目に浮かぶはずだ。ガレージパンクの真髄とロックンロールの快楽がぎっしり詰まった、絶対にスルー厳禁の大名盤と言える。

今日の一枚
Ming City Rockers / Clementine
収録曲
1.I’d like to assist you but my head’s too small 02:56
2.Oh My God 01:58
3.Plastic Recycling Facillity 03:17
4.Seven Ate Nine 02:26
5.Window 01:38
6.Pounds and Ounces 01:15
7.Blood in my Socket 00:32
8.I wanna find a way so I don’t feel like me ever again 02:25
9.Bad Luck Machine 03:20
10.3 of 4 04:08
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