後にfun.を結成し、「We Are Young」でグラミー賞を制覇するNate Ruessと、類まれなメロディセンスを持つマルチ奏者Sam Meansによる伝説的インディー・ポップ・デュオ、The Format。彼らがメジャー/インディーの狭間で磨き上げた初期の瑞々しいアイディアや未発表デモをコンパイルした音源集が、この『Boycott Heaven』だ。
洗練された名盤『Dog Problems』や金字塔『Interventions + Lullabies』へと至る助走期間の熱量がそのまま封じ込められており、装飾を削ぎ落としたからこそ際立つNateの情感豊かなハイトーン・ヴォーカルと、アコースティック&オーケストラルな叙情美が胸を打つ。胸を締め付けるような切なさと、弾けるようなパワー・ポップの青々しさが同居した楽曲群は、まさにエモ/インディー・ポップ黄金期の空気感をそのままパッケージしたかのようだ。
アコースティック・ギターのストローク一本から壮大なポップ・アンセムへと昇華していくアレンジの巧みさは、すでにこの時点で完成されている。ガレージやアパートの自室で録音されたかのような生々しい質感が、彼らのメロディの美しさをより一層際立たせており、ファンならずとも甘酸っぱいノスタルジーに浸れること間違いなしだ。
フェスやライヴハウスの大歓声で合唱される姿が容易に目に浮かぶソングライティングの力強さ。きらびやかなメインストリーム・ポップの原点に、こんなにもピュアで愛おしいメロディの原石が転がっていたことに誰もが目頭を熱くするはずだ。

今日の一枚
The Format / Boycott Heaven
収録曲
1 There’s No Gold at the Top
2 Holy Roller
3 Shot in the Dark
4 Forever
5 Depressed
6 No You Don’t
7 Right Where I Belong
8 Human Nature
9 Leave It Alone (Till the Morning)
10 Boycott Heaven
11 Back to Life
コメント