英ブライトンで結成され、インディペンデントな現場叩き上げで名を馳せた5人組、Fickle Friends。デビュー前から数々のUKフェスを総なめにしてきた彼らが2018年に解き放った1stフルアルバム『You Are Someone Else』は、2010年代シンセポップ/インディポップ屈指の完成度を誇る傑作だと思う。
80年代のニュー・ウェイヴやファンクを通過した煌びやかなシンセサイザーと、カッティングが小気味よいギターリフ、そしてタイトなダンスビートの噛み合い方がとにかくやばい。フロントウーマンのNatti Shinerが紡ぐメロディは、どこまでもキャッチーで甘酸っぱく、一瞬で耳を奪われる。だが歌詞に目を向けると、若者特有のメンタルヘルスの揺らぎや人間関係の不安、焦燥感が驚くほど生々しく描かれていて、その切なさとフロア仕様の明るいサウンドとのコントラストが胸を締め付ける。
フェスの巨大なテントやライブハウスの現場での爆発力は折り紙付きだ。「Swim」や「Glue」のイントロが鳴った瞬間にオーディエンスが一斉に飛び跳ね、全員でシンガロングするフロアの一体感は鳥肌モノ。ただ踊れるだけではなく、日常のモヤモヤを吹き飛ばして肯定してくれるようなピュアなポップネスが全編に溢れた、絶対に手元に置いておくべき一枚だ。

今日の一枚
Fickle Friends / You Are Someone Else
2018年リリース
収録曲
- Wake Me Up
- Glue
- Swim
- Bite
- Hard To Be Myself
- Lovesick
- Say No More
- Heartbroken
- In My Head(ditty)
- Rotation
- Hello Hello
- Paris
- Brooklyn
- Midnight
- She
- Useless
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