前作『Night Network』から約5年ぶり、英ウェイクフィールドが誇るジャーマン3兄弟=The Cribsが投下した通算9枚目のフルアルバム『Selling a Vibe』。リリース直後に全英アルバムチャートで初登場5位を記録し、結成20年を超えてバンド史上最高位を更新したという事実だけでも胸が熱くなる。
長年インディ・パンクの美学を頑なに貫いてきた彼らだが、本作では「パンクの罪悪感」を脱ぎ捨てて、持ち前のソングライティングとキャッチーなメロディを惜しみなく前面に押し出している。大西洋を挟んで離れて暮らす3人が一度楽器を置き、「家族としての絆」を取り戻す期間を経てスタジオに入ったというエピソードの通り、どこか肩の力が抜けた開放感と、兄弟ならではの阿吽の呼吸が全編に溢れている。ガレージの歪んだファズギターと切なく甘酸っぱいメロディラインの噛み合い方は、まさに彼らの真骨頂だ。
2026年春のUKツアーやフェスでも証明されている通り、ライブの現場でのフロア映えは相変わらず凄まじい。シンガロング必至のフックがこれでもかと詰め込まれていて、初期からのインディ・キッズはもちろん、現行のギターロック好きにも間違いなくぶっ刺さる快作だと思う。

今日の一枚
The Cribs / Selling A Vibe
収録曲
01. Dark Luck
02. Selling A Vibe
03. A Point Too Hard To Make
04. Never The Same
05. Summer Seizures
06. Looking For The Wrong Guy
07. If Our Paths Never Crossed
08. Self Respect
09. You’ll Tell Me Anything
10. Rose Mist
11. Distractions
12. Brothers Won’t Break
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