シカゴのアンダーグラウンドから這い上がり、今や世界中の巨大フェスで大合唱を巻き起こすRise Against。
彼らが通算10作目の節目に放った『Ricochet』は、デビューから四半世紀を経ても牙を研ぎ澄まし続けていることを証明する、やばいくらいに生々しい傑作だと思う。
何より胸を打つのは、お決まりのパンクの定石に逃げず、彼ら特有のメロディックな疾走感と重厚なグルーヴを大胆にアップデートしてきた点だ。
タイトルの「跳弾(Ricochet)」が示す通り、本作の根底にあるのは「現代社会の相互連帯と分断の連鎖」だ。
放った言葉や行動、政治的な決断が巡り巡って誰かを、そして自分自身をも撃ち抜くこの時代に対し、Tim McIlrathは拳を振り上げるだけでなく、痛切な問いかけを投げかける。
「俺たちは同じ部屋に閉じ込められているんじゃないか?」という焦燥感が、張り詰めたアンサンブルと研ぎ澄まされたフックに乗ってストレートに突き刺さってくる。
ライブフロアを想像してみてほしい。
フェスの最前列で砂埃を上げながらシンガロングするオーディエンスの熱量が、1曲目の重厚なリフからラストまで一切途切れない。
怒りをただ撒き散らすのではなく、聴き手の胸ぐらを掴んで
「お前はどう生きる?」
と揺さぶってくる感覚こそ、Rise Againstが唯一無二である理由だと確信させられる。

2025年リリース。
収録曲
1 Nod
2 I Want It All
3 Ricochet
4 Damage Is Done
5 Us Against the World
6 Black Crown
7 Sink Like a Stone
8 Forty Days
9 State of Emergency
10 Gold Long Gone
11 Soldier
12 Prizefighter
コメント