ぶっちゃけ、UKインディー・ロックの底力を見せつけられた気分だと思う。マンチェスター出身の4人組、The Slow Readers Clubが2025年にドロップした通算7作目のフルアルバム『Out Of A Dream』が、やばいくらいに研ぎ澄まされている。彼らがずっと武器にしてきたポストパンク特有の「冷徹でダークなグルーヴ」と、スタジアムを揺るがすレベルの「エモーショナルなメロディ」が、完璧な黄金比で融合している。
今作の核心にあるのは、ネット社会の狂気や自己アイデンティティの揺らぎといった、現代人が誰しも抱える陰鬱なテーマだ。しかし、サウンド自体は全く内向していない。むしろ、どこまでもエレクトロでダンサブル、そしてユーフォリック(幸福感に満ちた)な広がりを持っている。硬質なベースラインと疾走するビートの上に、どこか哀愁を帯びた浮遊感のあるヴォーカルが乗る瞬間は、ゾクゾクするほどのカタルシスを味わえる。
ライブ現場、特にフェスの深夜のフロアや暗転したクラブでこのシンセ・ロックを喰らったら、一発で脳汁が吹き飛ぶはずだ。全英アルバムチャートで11位を記録したという事実も、彼らが完全にインディペンデントな体制のまま、草の根のファンベースと圧倒的な楽曲クオリティだけでシーンをねじ伏せた証拠。派手なトレンドに頼らず、アンダーグラウンドから這い上がってきた叩き上げのバンドにしか鳴らせない、本物の熱量がここにある。

今日の一枚
The Slow Readers Club / Out Of A Dream
収録曲
1 Technofear
2 Animals
3 Little White Lies
4 Dear Silence
5 Know This I Am
6 Boy So Blue
7 Pirouette
8 Puppets
9 Loved You Then
10 Our Song Is Sung
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