煌めくギターポップの深淵へ。The Laughing Chimesが『Whispers In The Speech Machine』で鳴らす、憂いと焦燥のインディー新境地!

名門Slumberland Recordsが送り出す米オハイオの若き才能、The Laughing Chimes(ザ・ラフィング・チャイムズ)。彼らがドロップした2ndアルバム『Whispers In The Speech Machine』は、きらめくギターポップの美学を受け継ぎつつも、胸を締め付けるようなダークな詩情をまとった傑作だ。

今日の一枚
The Laughing Chimes / Whispers In The Speech Machine

ぶっちゃけ、1stアルバム『In This Town』を聴いたときは「また最高に瑞々しいネオアコ/ジャングルポップ・バンドが出てきたな」くらいの印象だったんだ。でも、この2025年リリースの2作目『Whispers In The Speech Machine』を再生した瞬間、完全にノックアウトされた。ただ爽快にギターを鳴らすだけのフェーズは、彼らはもう疾走するように通り過ぎてしまったらしい。

今作の何がやばいって、きらめくアルペジオの裏側に、どこかヒリヒリとした影や、ポストパンク的な焦燥感がべっとりと張り付いているところ。それもそのはず、彼らが育ったオハイオ州アセンズは、錆びついたラストベルト(工業地帯)の端っこ。中心メンバーであるセアカンプ兄弟(EvanとQuinn)は、地元のうらぶれたオペラハウスのアフタースクール・プログラムで機材を触り始めたっていう、いかにもローファイなバックグラウンドを持っている。バンド編成になってキーボードの歪んだテクスチャーや重厚なベースが加わったことで、サウンドの奥行きがエグいことになっているんだ。

フロア映えという意味でも、今作の進化は圧倒的。単に「インディー・ポップが好きなお行儀の良い若者」じゃなくて、フェスの深夜のテントステージや、薄暗い地下のクラブで爆音で浴びたくなる、呪術的でサイケデリックなグルーヴが全編を支配している。きらびやかなメロディを鳴らしながらも、どこか「ここではないどこか」へ逃げ出したいような切迫感。このエモーションのバランス感覚は、2020年代のインディー・シーンにおける一つの到達点だと思う。

収録曲

  • 1.Atrophy
  • 2.He Never Finished The Thought
  • 3.Country Eidolism
  • 4.Cats Go Car Watching
  • 5.A Promise to Keep
  • 6.High Beams
  • 7.Fluorescent Minds
  • 8.Mudhouse Mansion

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