フィンランドが生んだダークロックの雄、The Rasmusが通算11作目となる『Weirdo』で提示したのは、彼らの原点回帰でありながら、同時に新たな領域への大胆な踏み込みだ。かつて「In the Shadows」で世界を席巻した彼らが、いま再び「Weirdo(変人)」という冠を自ら掲げる意味は重い。本作は、30年近いキャリアを経てもなお、彼らが洗練を恐れず、むしろその荒々しい本能を剥き出しにしていることを証明している。
Desmond ChildとMarti Frederiksenのプロデュースにより、サウンドはこれまで以上に研ぎ澄まされている。Lauri Ylönenの歌声は、初期の瑞々しい哀愁を湛えつつ、今の彼にしか出せない深みと凄みが同居している。特筆すべきは、アルバム全体の緊張感だ。一見するとポップなフックを持つ楽曲の中に、どこか冷たく、しかし情熱的な北欧特有の湿り気が完璧に閉じ込められている。
「Weirdo」というタイトル通り、本作は社会の隙間に生きる者たち、あるいは馴染めない感覚を抱えるすべての人々のためのアンセムだ。フロアで拳を突き上げるカタルシスだけでなく、深夜、一人でヘッドフォンをして自分自身と向き合う瞬間にこそ、このアルバムの真価が発揮される。彼らは自分たちの「異形」を誇りとして、今の時代に突きつけたのだと思う。

今日の一枚
The Rasmus / Weirdo
収録曲
1 Creatures of Chaos
2 Break These Chains (Feat. Niko Moilanen of Blind Channel)
3 Rest in Pieces
4 Dead Ringer
5 Weirdo (Feat. Lee Jennings of the Funeral Portrait)
6 Banksy
7 Love Is a Bitch
8 You Want It All
9 Bad Things
10 I’m Coming for You
コメント