バンド結成20周年を祝う壮大な3部作プロジェクト。その第1弾『Sweet』に続いて届けられたのが、この『Sad』だ。エモやポップパンクのシーンを長年支えてきた彼らが、キャリアの円熟期を迎えてなお、原点にある切なさと瑞々しさをここまで純度高くパッケージングできるのはマジですごいと思う。涙腺を直撃するメロディの美しさはそのままに、今の年齢だからこそ鳴らせる円熟味を帯びたアンサンブルが全編を貫いていて、聴き手の心を容赦なく締め付けに来る。
サウンドの特徴は、何と言っても胸を掻きむしるようなギターフレーズと、Derek Sandersの生々しいヴォーカルの絶妙な融合だ。無駄な装飾を削ぎ落とし、エモーショナルな楽曲の核だけを真っ直ぐに突き刺してくるプロダクションは、近年のポップパンク・リバイバルの潮流の中でも頭一つ抜けた説得力を持っている。フロアで大合唱が起きるようなコーラスワークはもちろん、心の深い傷跡にそっと寄り添うような静謐なモーメントのバランスが絶妙で、アルバム一枚通して聴いたあとの余韻がとにかく深い。
フェスやライブハウスのフロアはもちろん、夜の高速道路を一人で走っているときなんかにも、このドラマチックなメロディはやばいくらいに染みる。キャリア20年を過ぎてもなお、シーンの最前線で瑞々しいエモを鳴らし続ける彼らの矜持が、このコンパクトなトラックリストの中にぎっしりと詰まっているんだ。

今日の一枚
Mayday Parade / Sad
2025年リリース。
収録曲
1 It’s Not All Bad
2 Under My Sweater
3 Promises
4 I Miss the 90S
5 One Day at a Time
6 In Every Way, Shape or Form
7 Breakup Song
8 I Must Obey the Inscrutable Exhortations of My Soul
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